高分子設計創生学研究室 Polymer Design&Creation Lab, Kansai University

研究業績

2021

"Photo-Triggered Chiroptical Switching of Platinum Complexes Bearing Azobenzene Moieties" Shinichi Iba, Kohei Iwata, Taichi Sotani, Takahiro Ishida, Natsuhiro Sano, Masaki Minami, Hiromitsu Sogawa, Fumio Sanda, Organometallics 40, 3550–3559 (2021).[DOI] [Supplementary Cover]

アゾベンゼンと光学活性アミノ酸部位を有するトリフェニルホスフィンが配位した白金アセチリド錯体を合成。白金–ホスフィン配位子間のコンフォメーションがシス型白金錯体は,分子内のアミド基水素結合によって強い円偏光二色性を示した。またアゾベンゼン部位のトランス-シス異性化に伴う錯体の可逆的なキラル構造制御にも成功。Organometallics誌のSupplementary Coverに採用。

 

"Highly photoluminescent poly(norbornene)s carrying platinum-acetylide complex moieties in the side chain: evaluation of oxygen sensing and TTA–UC" Taichi Sotani, Toshiko Mizokuro, Tatsuo Yajima, Hiromitsu Sogawa, Fumio Sanda, Polym. Chem. 12, 4829–4837 (2021).[DOI]

側鎖に白金アセチリド錯体部位を有するノルボルネン誘導体の開環メタセシス重合により,蛍光とりん光両方を発する新規白金含有高分子を合成。得られた高分子は,溶液中,フィルム中において,空気の存在下でりん光が著しく消光し,優れた酸素センサ能を示した。2-ノルボルネンとの共重合によりフィルムの発光色を黄色から橙色に調整することに成功。さらに,三重項–三重項消滅による溶液系アップコンバージョンの優れた増感剤として機能することを明らかにした。

 

"Reinvestigation of thermal isomerization of cis-stereoregulated poly(phenylacetylene) by spectroscopic study and DFT calculation" Masahide Goto, Masaki Minami, Hiromitsu Sogawa, Fumio Sanda, Polymer 229, 124013 (2021).[DOI]

ロジウム (Rh) などの後周期遷移金属触媒を用いたアセチレン重合は,主鎖二重結合がシスに制御された置換ポリアセチレンを与える。また,シス立体規則性置換ポリアセチレンは,140 °C以上の加熱により徐々にトランス体へと異性化することが1970年代から90年代にかけて報告されていた。本研究では,分析技術が発達した2020年代の視点から改めてこの現象を考え,分光学的測定・熱分析に加えて,密度汎関数法(DFT)計算により,シス立体規則性置換ポリアセチレンの異性化挙動の新たな知見を見出した。

 

"人工らせん高分子の最近の動向 ―キラリティーの自在制御と精密合成による新機能創出" 曽川 洋光, 化学と工業 74, 208–209 (2021).

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